檸檬の変革
やっと大通りに出た。
賑やかで、ネオンが危険を回避出来た事を物語っていた。

マリアはまだ僕の腕を緩めずスタスタ早歩きをしている。
僕は息が上がり足を止めた。


マリアが思い出したように振り向き僕の背中に手を回し言った。
『ゴメン!大丈夫?』


僕は前屈みになり呼吸を整え様としながら胸を押さえた。
『ゴメン。ちょっと休ませて。』

マリアは今度はゆっくりと僕を近くの露天の椅子に座らせてくれた。



マリアは露天で飲み物を買って僕の前のテーブルの上に置いた。
僕は冷たい感触を手にして暑い体を冷やした。


マリアは落ち着いてきた僕の様子を見て今度は自分の飲み物を買って来た。
マリアは一気に半分ぐらい喉を鳴らしながら飲んだ。


本当はマリア自身も怖かったのを僕は初めて知った。
マリアの飲み物を持つ手が小刻みに震えていたから。
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