檸檬の変革
朝食を食べて寛いでいると、マリアが不意に喋りだした。
『昨日はヤバかったね。』

僕は裏通りの出来事を思い出した。
今思い出してもゾッとする。

マリアはすまなそうに言った。
『表通りは比較的安全だけど、情報が欲しかったからちょっとムチャしちゃったの。ゴメンね。』

僕は呆れたと同時に感謝の気持ちでいっぱいになったが、その気持ちは言葉にはせず違う言葉を口にした。


『もう、ムチャはしないでね。』


でも、マリアは何故僕の為にあんな無茶をしてくれたのだろう?


僕はマリアを見た。
煙草を吸いながら行き交う人々の事をボンヤリ見ていた。


そろそろ出発の時間が迫ってきていた。

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