檸檬の変革
『ごめんなさい。許して。』
彼女は僕の顔を見て言った。

僕は………。只夢魔に会いたかったんだ。
坂貫 七海じゃなくて、夢魔に会いたかったんだ。


『ちょっと!!!』
沈黙を掻き消す様な激しい口調の怒鳴り声が森の中から七海に向かって投げつけた。


マリアだ。


マリアはガサガサと草を薙ぎ倒す勢いでやって来た。そして、七海を見て一瞬怯んだが、口調は変わらず激しく七海に言った。

『この子はね!夏樹は夢魔であるアンタに会いたい。只それだけの為に此処まで来たんだよ!それこそ命懸けで!!確かにアンタの大切な人から臓器は貰ったけれど、今は夏樹のモノなんだよ!これからこの鼓動は夏樹の鼓動なの!!!』


マリアは泣きながら七海に叫んでいた。

僕の代わりにマリアは一生懸命に叫んで、訴えていた。


拳を握り締め唇を噛み締め、一生懸命に。
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