檸檬の変革
『それもどうかな?って思うの。ただ夏樹が傷つくのが、自分が傷つくより嫌だったのは確かだった。』

『人の愛は万華鏡みたいなものよ。人の数だけ愛はあるわ。』

『万華鏡?』

『アァ。kaleidoscopeの事よ。』

『確かに万華鏡?みたいよね。あたし、愛ってもっと情熱的でエネルギッシュみたいだと思ってた。』


『そうね、そういう愛もあると思うわ。』


『あたし、七海に会って良かったわ。』

『私もマリアに会えて良かった。』



僕は急に自分が盗み聞きしてる様な罪悪感になって、ソッとその場から離れた。


何だか分からないけれど、顔は笑っていた。


海に足を入れて海の冷たさ、匂いを僕は楽しんだ。


夢魔とマリアが岩の向こうから戻って来た。
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