檸檬の変革
夢魔と出発の準備をしていた船長は驚いた顔をした。
夢魔は笑いながらマリアに何かを言った。

マリアはアハハハと豪快に笑った。

何だか僕だけ分からないのが引っかかった。


マリアと僕を乗せたクルーザーはゆっくり動き出し、やがて勢い良く波しぶきを上げて動き出した。


夢魔と僕達はお互いの姿が見えなくなるまで見つめ合った。


やがて島の浜辺が見え無くなった。
僕はマリアを軽く睨み問い質した。
『夢魔と何を話したのさ!英語じゃ無いからサッパリ分かんなかったよ!』


マリアはニンマリ笑って、僕の頭をまるで小さな子供をあやすみたいに撫でて言った。

『ガールズトークよ。だから夏樹には教えない。』


僕はちょっとふてくされた。
船が帰るまで。


マリアは気持ち良さそうに風を受けて海を眺めていた。
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