檸檬の変革
出発当日。慌ただしく僕達はホテルを後に、タクシーで空港に向かった。
なんと、インドネシア初日に乗ったタクシーの運転手だった。


また、車内が騒がしくなった。
運転手はオーバーに半ベソでマリアと別れを惜しんで、またここに戻って来いとか何とか言っていた。
マリアは勿論だ。と運転手を慰めながら言っていた。


空港に着くと、運転手はマリアと僕を息が止まるくらい強く抱きしめてサヨナラの挨拶を交わした。


飛行機がインドネシアの地から飛び立つ瞬間、僕の目から涙が溢れた。隣を見ると、マリアも同じだった。


インドネシアの海の色、太陽の輝き、美しい自然と共に生きる人達、そして夢魔。


僕はきっと何時かこの地をまた訪れる。



サヨナラインドネシア


サヨナラ夢魔


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