檸檬の変革
『あたし、運命だと思っていた人がいたの。でも、向こうは遊びだったみたい。それからあたしは運命は信じなくなった。でも、今回の事であたしは運命は自分の信じた道を歩く人に有るんだと思った。』


マリアは僕に微笑んだ。

僕も微笑み返した。

『夢魔。コレからどうするのかな?』
僕は夢魔が心配だった。愛する人を失った夢魔。


マリアが断言した。
『夢魔は大丈夫よ。夏樹が精一杯生きると言ったから。夏樹の中に愛する人が精一杯生きようと鼓動をしている限り、夢魔は希望を失わないわ。』


僕は胸に手を置こうとして手に当たった物を掴んだ。呪術師の老人がくれたネックレスだ。

マリアもネックレスを見て言った。
『そのネックレスは魔除けの御守りで呪術師のみが選んだ戦士にだけ授けるんだって。とても高価な物らしいわ。』


僕は手で飾りを弄っていた。
僕は何故これを自分に授けてくれたのか分からなかった。


『夏樹は立派な戦士よ。』

マリアが僕の気持ちを察して言ってくれた。
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