檸檬の変革
三人は時間も忘れて眺めていた。


火野が静に独り言を言うように口を開いた。


『日本は天の川って織り姫と彦星の昔話を連想させるけど、俺は何時も違う事を思うんだ。
亡くなった魂が星になって、暗闇に迷った未来をその小さな光で正しい道に導いてくれている気がする。独りで夜空を見上げてると不思議と明日も頑張ろう!って思える。』


美空と美夏は静かに火野の話を聞いていた。


美夏が穏やかな優しい口調で話した。
『あたしね、毎日大して面白く無い話でも無理して周りに合わせてはしゃいでた。周りからはみ出すのが怖かった。美空はあたしのたった1人の親友。あたしの自慢の友達。』


美空は泣いていた。涙の雫が音もなく流れていたから他の2人は気付かなかった。


《あたし。変われるよね。グランマ、グランパ》




東の地平線がほんのり明るくなって来た。


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