c-wolf
「君が俺たちのチームに入ったんなら、ここのことも教えてやらないとな。そのかわり、君がここに入った理由も教えろよな」

伽羅さんがうなずいたのをみて、亮はソファに座った。

その隣に僕も座る。

僕たちの前には、伽羅さんが座っている。

「俺たちのチームにいる奴らは皆、ゼルトに助けられたんだ。お前だってそうだろ?あそこにはいたくないからゼルトの許しをもらってここに来た。ゼルトに助けられた」

「うん」

「俺たちもそんな感じだよ。お前みたいに軽い助けじゃないけどな。俺たちはゼルトに命を捧げるほどゼルトを恩人としてみている。たとえば……、俺はゼルトに拾われた。俺ってヤバイ奴なんだよね。これでも昔は荒れててさ、6歳の頃にはもう人殺ししてたわけ。んで、子供って人殺しても罪にならないじゃん?だからムカついた奴はバンバン殺してたんだよな。んで、結局親が罪に囚われて死刑にされたわけ。で、人殺しなんてあずかる親族なんていないから路上にポイだよ。んで、それを拾ってくれたのがゼルトだったわけ。正直ビビったよ。俺と同い年なのに俺よりも人殺すんだもん。だけど、俺はこっちに来てからは人を殺すことを止めたよ。まぁ、多少はゼルトの手伝いで殺しをするけど……。ゼルトが言ってくれたんだ。殺しをやるなら俺とやれってな。正気だと思うか?俺が人殺しをした分、ゼルトにかかる罪は増える。もちろん人を殺した罪は重い。それはお前も知っての通りだろ?死刑に値するからな。それなのに俺とやれって、ほんっとバカだよな。ゼルトって。だけど……そういう優しさがゼルトにはあるんだ。おそらく、POLでいる限り一生知ることのないゼルトの優しさを俺たちが知っているんだ」

ゆっくりと伽羅さんがうなずき、僕に目がうつった。

「君は……?」

「僕は……」

僕は何故、Cに助けられたのだろう。

僕は自分からCにすがりついたんだ。

そうだ。

あの時手をさしのべてくれたのは……。

”ここから逃げるんだ。俺と共に来い。”

決して誰にも負けることのない、ゼルト・C・ヴォレフだった。

”君とともに行けば……どうなるの?”

”世界を変える人になるんだ。俺と一緒に世界と戦おう”

”世界を……変えるって、どうやって……?”

”c-wolfを、君は知っているか?”

”知らない”

”ならば……、教えよう。だから、共に来い”

”…………行く!!!!”

「たとえ彼の歩く道が人を大量に殺してしまう道だとしても、僕は彼の前に立って、彼の歩く道を広くあけてあげたい。c-wolfの名のもとに」

伽羅が息を吐いた。

そして、もう一度息を深く吸い込んだ。
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