教育実習生に恋した私
ーガラッ

皆がザワザワし始めて顔をあげると、背の高い、いかにも好青年って感じのイケメンがいた。



「自己紹介を」

担任がそう言うと、ちょうどいい感じのバリトンが聞こえてきた。

「今日から1ヶ月お世話になります、教育実習生の一ノ宮千隼(いちのみやちはや)です」


千隼......
なんか、響きのいい名前だな...



「一ノ宮先生は、数学を教えて下さる。先生に何か質問ある奴いるか?」


そんなことを思っていると、担任がなにやら話し出した。

てか、質問とかないし。

皆はなんか色々聞いてるけど。

美波とか、「彼女いますかぁ~」とか聞いてるし。

...どうでもいい...寝よう。














この時は、先生のことなんてなにも思ってなかった。

男なんかどうでもいい、恋なんてどうでもいい、そんなふうに思ってたあたしの恋は、もう、はじまってたんだ......
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