社長×秘書~甘く切ないオフィス・ラブ~
私は荷物を整理し終えると、すぐに社長室に向かった。
何かの間違えではないか、きちんと話しをしなくちゃ。
そう思いながら私は社長室の前に立った。
目の前には立派なドア。
「ふぅ。やっぱり最高権力者って凄いわね。」
なんて当たり前のことを言うと、私はノックをした。
コンコン
「総務課の望月です。
失礼してもよろしいでしょうか?」
わぁ~、緊張する…。
「どうぞ。」
聞こえたのはバリトン。
凄く聞いていて心地よい。
「失礼します。」
私はドアノブに手を置き、ガチャ、とドアを開けた。
中には、
高級感あふれる皮のふかふかそうなソファ。
あまり、物は置いていないけど、分厚い本が並んでいる本棚は壁一面に広がっている。
しかし、窓側の中心にあるデスクには大量の資料が置いてある。
そのデスクに座っている人は社長。
社長は結構年なのではないか、と思っていたけど、
全然年なんかじゃなくて。
むしろ若い方。
きっとまだ20代であろう。
しかも、顔は怖いほど整っており、
自分の顔が惨めに思える。
端正な顔立ちは私を見つめていて。
そこで、ハッと我に返った。