Cotton Candy【ベリカ限定】
雅はあたしの頬にそっと触れると、ゆっくりと顔を近付けて来た。


ゆっくり…


ゆっくり…


まるで、時が止まったかのようにも思えた。


その間、あたしは雅から目を逸らす事も、逃げ出す事も出来なくて…


ただ、じっと彼の瞳を見つめていた。


あたし達はそっと目を閉じ、どちらともなくキスをした。


同時に、前髪から零れ落ちた雨の雫があたしの唇に触れた。


甘くて切ないキスは、雨の味がした。


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