Cotton Candy【ベリカ限定】
「違うっつーの……」


大翔は、眉をしかめながらため息をついた。


「冗談だよ」


そう呟いた後で、彼にお礼を言った。


「気をつけて帰れよ」


「うん、ありがと」


小さな笑みを残し、大翔の家を後にした。


外は、すっかり暗くなっていた。


夜空を見上げると、雲に覆われた三日月が微かに光を放っている。


あたしは弱々しい光を放つ三日月を真っ直ぐ見つめながら、自分自身に決意を立てた――。


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