星の奇跡
突然の手紙と内容にしばらく呆然としながらも、まさか本当の事と思えず康平の家に電話をしてみた。

誰も電話には出ず、ただ嫌な気持ちのままおれず、すぐに家を飛び出し、康平の家に向かった。

あつしは車を持っていなかったため、自転車を思いっきりこぎ、公園の曲がり角を過ぎ、直線に差し掛かるとさらにスピードを上げて向かった。

向かう途中、あの日の康平を思い浮かべたが終止楽しく過ごしたし、そんなに悩みこんでいる事があるような素振りは見せなかった。
ただ気になるのは、帰る前に握手をした事だった。

先に手をだしてきたのは康平で、お疲れさんの意味だと思い、そんなに気も留めなかったが、今から思えばあの時には決意していたのかもしれない。

ただ、嘘であってほしい。
冗談な手紙であってほしい。

もし本当でもまだ生きていてほしい。

そんな気持ちで最後のカーブを曲がった。
康平の家にはパトカーが停まっており、不安な気持ちにより一層厚みが増し、急に鼓動の高鳴りを感じた。
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