星の奇跡
2人は地元の違う高校一年生の時に出会った。

明るく誰にでも話しかける康平とは逆に少しおとなしめで一番前の席に一人で座っているあつしに康平は気さくに声をかけた。

どこか雰囲気が似ている2人は双子説が流れ、違うクラスから見に来るくらいになり、それから2人は次第に仲良くなっていった。

康平は持ち前の明るい性格でクラスの人気者だったのに対し、あつしはその後ろを付いて歩くような感じではあったが帰りはいつも2人でゲームセンターに寄ったり同じクラスの誰が好きかなどたわいもない話しをよくしていた。

康平とは一年生の時だけ同じクラスだったが気の合う友達というのはめったに出来るものではなく、それから親友として常に遊んでいる。

お互い違う大学に入ってもなお、休みの日は遊ぶ事も多く、今回は以前から計画していたキャンプに2人で行くことになり康平の家に着いた所であった。

男2人で海へキャンプに行くのはやはりナンパ目的かと思うかもしれないが、確かにそれも目的のひとつではあったが、ただ単に2人でキャンプに行く事が1番でそれほど仲が良かったのだった。

小さな軽自動車の後部座席には2人でお金を出し合って買ったテントや飯盒、炭などを積み込み、康平の母親へ挨拶をして車に乗り込んだ。

目的地は鳥取砂丘だった。
理由は特にないがただ本で何気なく見た砂丘に何故か惹かれたものがあったからだった。

大阪から朝方に出れば夕方には着けるだと対した計画もせずに行き当たりばったりの男2人のキャンプ旅行が始まった。
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