いつか、眠りにつく日
自分のうかつさを呪っていると、クロが突然、何か思いついたように声を出した。
「・・・そうだ。蛍、どこかに高台みたいな場所はないか?」

「高台?」

「未練解消がはじまっているってことは、山本栞の身体からも光が出ているはずだ。たぶん遠くからでも俺なら見えると思う」

 なるほど。確かにこの光は地味にまぶしい。案内人のクロなら遠くからでも見えるかもしれない。

「駅前に建設しているマンション。田舎町には似合わないくらい高いビルになるみたいだから、あそこなら遠くまで見渡せるかも。まだ建設中だけどね」

「よし、そこへ行こう」

 


 


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