いつか、眠りにつく日
 クロが呆れたような顔をするのを見て、さらに言葉を続けた。
「そういう顔ばっかやめてくれる?自分がいちばん偉いって思ってるんでしょうけど、あんたに足りないのは人間を思いやる心、そう、心がないの。200年もやっててそれくらい分からないわけ?」

「いちいち人間ごときの心なんて考えてられるかよ。だからお前は甘いって言うんだ。今だって自分の未練解消は棚にあげてこんなことに付き合って。逃げてるんだよ、お前は」

 すでにカクガリと涼太の姿は見えなかった。先に行っているようだ。

「ついてきてなんて頼んでないですけど?そんなにイヤならついて来なければいいじゃん。あんたがいないほうが、変なチャチャ入れられなくてスムーズに進むよ」

「何!?だったら勝手にしろよ、お前がどうなろうが俺には関係ないんだからな」

「関係ないなら来なくて結構。クロなんて大っ嫌い!」



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