いつか、眠りにつく日
 慌てて起き上がると、部屋中が薄い煙におおわれていた。

「うそ、うそでしょ!」

 窓辺に走り、カーテンを開けると窓を乱暴に開いた。

 新鮮な空気を吸い込もうとして、ふと気づく。火事ならばもっとにおうはずだ。しかし部屋の中には燃えるようなにおいはしていない。

 それどころか、外の景色にもすべて薄い煙がたちこめている。道路を挟んだ向かい側の家も、ぼんやりとしか見えないほどだ。

 一瞬、霧なのかとも思ったが、それならば部屋の中にまで立ち込めているのはヘンだ。

 
 改めて、部屋の中を見回す。

「あれ?」

 違和感が私を襲った。普段は乱雑な部屋が異様に片付いているのだ。


___昨日、寝る時はいつもと同じだったはずなのに

 

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