いつか、眠りにつく日
「おばあちゃん、おばあちゃん!」
涙があふれこぼれ落ちる。それでも差し出した手は、祖母を通過するだけだった。

「・・・蛍ちゃん?見えないよ、聞こえないよ」
祖母は悲しい声であたりを見回している。

「ここだよ、ここにいるよ・・・」

 こんなに悲しいの?

 未練を解消できても、それ以上に胸をしめつけるの?

「これが未練解消!?悲しいだけじゃない!」
クロを責めても仕方ないと分かっている。それでも、叫ばずにはいられなかった。

「ほら、立て」
腕をつかまれて強引に立たされる。

「イヤよ!未練解消なんてしたくない!」
腕を振り払おうをするが、クロは離そうとはしない。そのまま玄関へ引きずられるようにして連れて行かれる。





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