帰宅部全国大会
教室に入った途端、ガラの悪そうな男子高校生二人組が、俺達を見ながらニヤニヤと下種な笑みを浮かべている。
嗚呼、もう見た感じでわかる。こりゃあ汚い手口を使ってる奴らだ。
誘惑の婦女子と同じ顔してるもん。確定的だわ。
「破壊神様と帰宅出来てマジ光栄っす」
「宜しくお願いしやーっす」
うん、絶対リスペクトしてないっすよねこいつら。
その伸びまくった天狗の鼻を先輩の鉄拳がへし折ってくれるぜ! 俺はなんもしないけど! つうか出来ないけど!
だが先輩はどうやってこいつらを懲らしめるのだろう?
何度も聞いても先輩は「君にも秘密だ」との一点張り。
今回は例外だとしても、妨害行動を取るという手段は自身のプライドに反することだ。
だから俺にも、どのようなことをするのかをギリギリまで知られたくないのだろう。
ただの憶測だけど。多分きっとそんな感じだ。