帰宅部全国大会
【おまけのおまけ】
吉澤会長は待機室でもある校長室のソファに腰掛け、今大会に関する書類に目を通していた。
時期に帰宅部全国大会の閉会式が行われる。
そろそろかなと壁にかけられた時計に一瞥すると、外から忙しない足音がこちらに近づいてきた。
「か、会長!大変です!」
ノックもせず入ってきたのは、数か月前に吉澤の秘書になった新人君。
息を切らしながら血相を変える秘書に、「やはり来たか」と内心ほくそ笑みながら声をかけた。
「騒がしいな。何があった?」
「せ、生徒たちがいないんです!もうすぐ閉会式なのに!」
体育館にも、教室にも、グラウンドにも、人っ子一人見当たりませんと秘書は言う。
吉澤は手元の書類をまとめると、「当然だろう」と口火を切った。
「彼らは全国有数の帰宅部員だ。家に帰るのは当然だろう?」
自らが作りあげた伝統が、次世代にまで伝わり受け継がれている。
原点にして頂点、帰宅の神は笑みを浮かべながら立ち上がる。
「ここからが本当の帰宅(戦い)なんだよ。この大会は」
自宅に帰ることが、帰宅部の真の目的なのだから―――
【ほんとうにおしまい】


