絡み合う汗
絡み合う汗
 室内の温度が三十八度を突破したのを見計らい、私は冷蔵庫へ向った。ミネラルウォーターを取出し、フタを開け、喉奥に流し込む。その際に口元からミネラルウォーターがこぼれ落ちキャミソールを濡らした。
 築三十年のアパートは木造であり外観はレトロの趣がある。この家の最大の長所は夏。それも真夏。物凄い暑い夏。その季節のとき肉体と肉体が汗を出しながら交じり合う、それが私の興奮を刺激する。
 ああ、考えただけでどうにかなってしまう。興奮がミネラルウォーターの冷気は掻き消した。
 ピンポーン、とインターホンが鳴り私は玄関へ向った。玄関を開け、そこにいたのは彼だった。付き合ってまだ一ヶ月。初々しい。今年三十路の私にとって、五歳下の彼は新鮮でしかたがなかった。若い肉体、若い肌。それらが私を若返らせる。
「乳首透けてる」
 私のキャミソールを凝視しながら彼がニヤけ顔で言った。
「水が垂れたのよ」
「なるほどね」
 そう言って彼は私の唇を奪い、押し倒した。
「もう?」
 私は身体が汗ばんでいる。
「満更でもないくせに」
「バレた」
 私は彼にキスをした。彼が私のキャミソールを手際良く脱がし、汗ばんだ胸を舐めた。舌触りに興奮を覚えた。すると下半身に彼の手が徐々に侵入していき、興奮からか身体が熱くなった。彼も興奮しているのか身体が汗ばんできた。私は彼の乳首を舌先で舐める。そして激しいキス、キス、キス。舌を絡ませたキス、キス、キス。
「暑い」
 彼が額に汗を浮かばせながら言った。
「でも興奮する」
 私は彼の下半身の刺激に絶頂を迎えそうだった。
「それはいえてる。いつしか僕も汗を出しながらセックスするのが好きになったみたいだ」
「私のお陰?」甘えた声でいった。
 その直後、私は下半身から大量の汗を吹き出した。
 これで終わりではない、汗の絡みはまだ続く。
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