恋愛遊戯【完】




キャーッとはしゃぐ彼女たちに、青春だわあ、なんて微笑ましく思ってるあたしだから、香奈ちゃんにおばさんくさいと言われてしまうのかもしれない。




――ていうかナツメがモテてる。


皆本性を分かってないな、あいつの。そんなクールな男じゃないのに。


なんだかあたしだけがほんとのナツメを知ってるみたいで、少しだけ優越感に浸る。




「この前ほのかがナツメくんにアドレス聞いたらしいんだけど、好きな子にしか教えないって断られたらしいよー」


「何それ、めっちゃかっこいいじゃん」


「ていうか、あんまり女子と話してるの見ないよね?」


「彼女とか居るのかな?」




ふとそこまで聞いて、無意識に眉を顰めた。



……彼女。そういえば、聞いたことなかった。


ナツメとは中学のころから一緒だけど、恋愛の話とかは、あんまりしないし。


学校じゃよく話したけれど、……というか向こうが一方的にあたしに嫌がらせしてきたけれど、外で遊んだことなんかもないから、アドレスも知らない。



< 18 / 26 >

この作品をシェア

pagetop