海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
1人で自宅に帰る道のりの途中で、オレは考えた。


桐生のあの自信が持てなくて引っ込み思案な性格、どうにかしてやりたいかも。


だけど外山や浜口程親しくないオレに、一体何が出来るんだ?


「ハァ……無力なオレ」


ため息をついてズボンのポケットに手を突っ込む。


右手に何かの紙切れの感触があった。


「何だろ……?紙切れなんか入れてたっけ?」


ガサッと紙切れを出して、広げる。


中を見た瞬間、コレはさっき音楽室の鍵を返す時、オレ等の音楽の先生から渡された物だと思い出した。


『桜土君、今年は出てみたら?』
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