海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
しかし最も冷静さを欠いていたのは、口元に両手を当ててガタガタ震えてる海だった。


イヤ………


1番バカだったのは――――…オレだったのかもしれない。


「海、実行委員の先生に言えるか?“出るのやめます”って」


「卓磨く……」


「ああ…オレから言っといてやるよ。だからお前は心置きなく“自由”を楽しめ」


次から次へと口から飛び出す言葉は、本当にオレのものだったのか。


ただ目の前には、瞬きすら忘れて固まっている海と外山と浜口。


後ろには見えないけど、口を引きつらしているであろう虎と俊哉の気配を感じていた。
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