海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
本当はきちんとどうしてこうなったのか、海に話を聞くべきなんだ。


でも一度壊れてしまったブレーキは、言うことを聞かない。


「……そうだな………」


結局これしか言えないまま、オレは屋上から出た。


気マズさ満点だった屋上の空気から解放されたハズなのに、体が重い。


一段一段階段を降りるのに、やたら時間がかかった。


「―――待てよ卓磨!!」


グイッと腕を引っ張られ、怒った表情の虎と向き合う形になった。


「お前あそこまで言う事無いだろう!いつも優しいお前はどこ行っちまったんだよ!?」


「俊哉は……?」
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