海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
「あっ…ごめんなさい卓磨君……私ったら優勝出来たワケでも無いのに…感動しちゃって………」


ゴシゴシ涙を拭く海に、黙って微笑む。


それから暫くの間、歓声が止まる事は無かった。


『それでは今回の音楽祭の入賞者を発表します!まずは第3位の方から!!』


審査も終わり、結果発表の時間が来る。


全ての音楽祭出場者が並んだステージで、隣に立つ海は緊張の面持ち。


オレはコッソリと、海の耳元に囁いた。


「後でオレも話したい事があるんだけど」


海がクルッとこっちを向いた。


「えっ…?」


「聞いてな?海」
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