海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
グッと握り拳を作り、気持ちを落ち着かせる。


イスの上で体を動かし、海の方を向いた。


「海……やったなオレ等。本当に優勝しちゃったな」


小さく微笑みながら言うと、海もニッコリと笑った。


「そうだね……メチャクチャ緊張しまくって大変だったけど、コレもいい思い出になるかもね?」


ハハハ…と、2人で笑い合う。


「海のお陰で優勝出来たよ。ありがとう」


オレがこう言うと、海は黒目が大きい瞳をこれでもかって位に見開いた。


「何言ってるの卓磨君!優勝出来たのは、卓磨君のステキなピアノ演奏のお陰だよ!!」
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