海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
真剣な瞳と声。


桜土君が言ってる事は、ウソじゃないって確信した。


「桐生、お前いつもここで歌ってんの?」


桜土君は、私を真っ直ぐ見据えたまま首を傾げた。


桜土君、ほんのちょっとだけだけど女の子っポイ顔立ちだから……カワイイ。


「いつもって言うよりは…時々です。家で歌う時もあります」


「他にこの事知ってんのは?」


「えっと……アイと小梅だけ……」


たどたどしくも、桜土君の質問に答えてゆく。


心臓の音が聞こえてしまいそうな程、大きくなっていた。


こんな事になるなら、帰れば良かったなぁ………
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