海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
普通の私だったら、好きな男の子……桜土君に腕を掴まれたらドキドキしまくるハズ。


だけど今は大して上手くも無い歌声を聴かれて、完全にパニックになっていた。


「なんでって……私の歌なんて誰も興味持たないだろうし………」


「そんな事ねぇよ!さっきも言ったじゃん!オレお前の歌感動したぞ!?」


えっ……?


「桜土君、気休めは―――…」


“やめてくれ”言いたかったのに…桜土君は私の腕を離して、私と目線を合わせた。


「気休めなんかじゃ無い。オレ本当に感動したんだ。オレが今まで聴いて来た歌声で、1番上手かったと思う!」
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