海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
でもオレと桐生はただのクラスメイト……そう、“ただの”。


自分でそう思ったら、なぜだか胸がチクッと痛んだ気がした。


それから暫く、無言の状態が続く。


桐生が家が近いって言っていたカフェが、段々近づいて来ていた。


どうしよう………このまま別れたら桐生は人見知りする方だし、同じクラスとは言えまた関わり薄くなりそうだ……


何かいい方法ねぇかな………


何か――――…


「……桐生…オレ、またお前の歌聴きたいんだけど」


真っ先に頭に浮かんだ事を、そのまま桐生に伝える。


桐生は勢い良くこちらに振り向いた。
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