明日目が覚めたら
かつては愛し合った二人なのに、

王の心は動かなかった。

共に暮らし、子供が出来ても

王の心は氷のように凍ったまま。

再び誰かを愛することはなかった。


そして、それに呼応するように、

悪政を始めた。

階級を作り、

国民を奴隷のように扱った。

階級の高いものは暴利をえ、更に人々を苦しめた。

生きる気力の代わりに財を築いていく王に 

王妃は、身を呈して進言した。

王は、聞き入れるどころか、

狂ったように王妃をなじり、暴力で黙らせた。

俺たち子供の前でも、

見せしめのように毎日繰り返される王妃への戒めは、

常軌を逸していた。」



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