明日目が覚めたら
「素晴らしいわ。」

美しく並ぶ色とりどりの看板や、街並みは、

住む人の心のようだった。

皆笑顔で活気があり。

「母上もこの国で幸せに過ごしていたのかしら。」

「きっとそうでしょうとも。」

サンドラの言葉に、心が温かくなった。

誰が見ても素晴らしいと思うであろうこの国が母の祖国であることを

ウルルは誇らしく思った。

「ウルル、日が暮れる前にグラタ城へ着きたい。急ぐぞ。」


手綱を引き、鞭をあてる。

夕陽で伸びた三つの影が先を急いだ。
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