明日目が覚めたら
「ウルルお姉さま。お会いしたかった。」

城の入り口で、鞍を降ろしている所へ

従妹のエスタ-シャ姫が駆け寄ってきた。

「まあ、エス大きくなって。いくつになったのかしら?」

「11です。お姉さまこそお美しくなられて。

 さあ、早くいらっしゃって、父上がお待ちです。」

ウルルが振り返るとサンドラがにっこり笑って頷いた。

エスタ-シャに手を引かれ城内へと入っていく。

ふわっと懐かしい感覚に包まれた。

見上げると、ウルルに良く似た肖像画が飾ってある。

「お母様。」

小さい頃は良くこの肖像に会いに訪れていた。

「ウルルか?」

「おじさまご無沙汰しています。」

「シルベルに生き映しだ、まるであの頃のジルがいるようだ。」

グラタ王はまるで昔の恋人に会ったように目を細め

ウルルを抱き寄せ再会の口づけをした。

ズキン肩に衝撃が走る。

「くっ。」

ウルルは言いようのない衝撃とあまりの痛みに気を失って倒れた。
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