明日目が覚めたら
アレクはアセンデルフに連れられていった頃のことを思い出していた。

ウルルの教育係として厳しい訓練と、教育が施され

休憩もなく生まれたばかりのウルルの相手をさせられた。

やってられないと思う反面、

貧しかった、養父母たちとの生活の百倍もいい生活。

戻りたいとは思わなかった。


アレクは貪欲に知識や技術を吸収し、

ウルルにもそれを分け与えた。

何より肉親の愛を受けたことのないアレクにとって

常に、アレクを求め、慕ってくるウルルは、

アレクにとって大切な存在へと変わっていった。


二人が成長して、教育係から、護衛へと変わっても、

アレクは特別に地位が与えられていた。

それは、国王からのアレクへの信頼と感謝の表れだった。

また、身寄りのない売られてきた少年を、

一人前に育て上げてもらった。

そのアレクの感謝の念は、

国王とウルルに絶対の忠誠へとつながっていた。
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