明日目が覚めたら
元王の妻、セレナ

王太后として不完全な

現王の義理の母、

その微妙な位置が、セレナを腹立たせる。

王は息子として申し分ない扱いをしてくれる。

しかし家臣や王族たちが私に対して

「本当の母でないくせに。」

と、陰口をたたいているのを知っている。

自らが廃妃を申し出るべきだと進言する王族もいる。

王が妃を娶り、

妃が子供を産めば自動的にその子が王位継承第一位になる。

いま、第一位にいる息子は邪魔な存在になる。

王族から廃位を求められるだろう。

考えるだけではらわたが煮えくり返る。

どうしてくれようか。

そんな、ことを毎日思い悩むセレナだった。







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