オレンジ・ドロップ
軽い足取りで学校へ着いた
一番乗り~っと
さて誰も来ないうちに下駄箱に……
ダメだ
ここじゃ目立ちすぎる
じゃぁ……
机ん中だ!!
教室までダッシュ!!
廊下側の後ろから2番目っと
汚ない机ん中~
教科書なんて見た事ないのでは? そう思うくらい乱雑に教科書たちが眠っている
まっいいや
ここに入れとこ
待てよ?
こんな手前で、もし落っこちたりしたら大変
綺麗なラッピングの上に目立たぬよう、黒いビニールに包み机の奥に突っ込む。
気がつかないかなぁ?
でもいいや
何事もなかった様に自分の席に戻る
少しずつクラスの人たちも登校してくる
そして
ゆっくりめに彼も登校して来た
何度か様子をこっそり伺う
やっぱり机の中を見る様子はない……みたいね
どうやって授業受けてんだろ?
気がついて欲しい
だけど
気がつかないで欲しい
心が矛盾してる
机の中のものを出来るなら取り除きたいよ
チョコレートを手放した途端
魔法が消えたかのよう
急に恥ずかしさが込み上がって来た