私の唇はキス魔に持って行かれました

「ちょっと顔が整ってるからって調子にのるんじゃないわよ?!あんたなんかに私の魅力は理解出来ないでしょうね?後で"付き合って"って言っても付き合ってやんないから!!」


早口でそれだけ言った龍宮さんは教室から出ていった

その瞬間チラリと見えた龍宮さんの瞳には、今にも流れ落ちそうな涙が浮かんでいた


「霧夜くん…」

「今はそっとしといてあげて?…今まで、なんでも強引に我が儘放題でやって来てたから、自分の思い通りにいかない展開って初めてなんだよ。これで少しは成長してくれるといいんだけど…」


そう語る霧夜くんはなんだか…


「…お兄ちゃんみたい」

「…まぁ、似たような感覚だね」


そう言う霧夜くんは苦笑いしながら、龍宮さんが出ていった扉を眺めていた


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