片想いだったね


放課後、午前中以上に更にあちらこちらで男子も女子も盛り上がっている。


正直、完全にバレンタインに無縁そうな男子ですら教室に残ってソワソワしているのが可笑しくて仕方ない。


私といえば、誰にもあげる人なんて居なくて変わらない平日。


まっすは内山が部活を終わったあとに渡すとウキウキしていた。


内山も幸せだよね。


こんな良い子を彼女にしてさ。


相変わらず坊主の内山を見ては憎たらしい存在でしか見れないけど、まっすにしたらかっこよくて大好きな人なんだもんね。



部室に向かう途中、ところどころで女子が男子にチョコレートを渡す光景が目に入る。


「今日でカップル増えそうだね。」


まっすに笑いながら言うと、


「失恋する人も多そうだけどね。」


確かに……と、誰が失恋したかも知らないのに何故か真剣に可哀想……と、落ち込んでしまった。


「いや、美紀は失恋してないでしょ?」

「あ、いや、まぁそうなんだけどさ。」


まっすの突っ込みで我に返って二人で笑い合う。


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