片想いだったね




岬ッチとたまにすれ違う廊下で、お互い気まずく笑顔を交わす。


笑顔を交わすだけでもまだマシなのかもしれない。まだ彼女だよって、少しだけでも思えるから。


寂しいと思っているのは私だけかもしれないけどね。




「ねぇねぇ岬ッチ!」


廊下でみほちゃんが話しかける姿を背中で聞いて、聞こえないフリをするのが精一杯。


その時の岬ッチは、


どんな顔をしてるかな。


振り向く事はしないよ。



惨めな思いはしたくないから…。



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