片想いだったね
「ちょっと出掛けてくるね!」
お気に入りのノースリーブを着て、買ったばかりのミュールを履いた。
天気は青い空に、真っ白な雲。蝉の鳴く声に風があんまり無くてジワジワと太陽の日射しが腕にからみつく。
「暑……。」
自転車に乗っていても夏の暑さにフゥフゥ言いながら目的地に向かって行く。
去年の夏はサンダルを履いていた。
一昨年なんてスニーカー以外履く靴がわからなかった。
今は少しヒールがある靴を履いて、うっすら化粧をしている自分。
これから会う岬ッチに釣り合いたくて。
可愛いくなりたくて。
今の私は岬ッチのお陰なんだよ。