片想いだったね
岬ッチが居なくなってから川原の道を、ボーッとしゃがみこんでいる私に
「あらあらあら~?どこの良い女かと思ったら美紀じゃないの~?」
この暑い中、暑苦しい台詞を言う男は本当にタイミングが良いんだか悪いんだかわからない。
「翼じゃん。」
「な~にしてんの~?人待ち~?」
「別に。翼こそなにしてんの?」
自転車にも乗っていないで派手な柄の半袖に半ズボン。でも髪の毛は学校にいるよりも少し控えめなセット。
「知らない街を流してみたい~。」
「あんたソレ二年前もここで言ってたよ。しかも今回は徒歩?隣街すら行けないね。」
「ハハッ。」
ヨイショと私の横に座って、
「まっすに告ってきた。」
と、穏やかな顔で私に言った。