記憶 ―砂漠の花―
「この街全体に広がる緑色は…、アイリがさっき言っていた先生の『緑』なのか…?」
「アズ!見えるの!?」
私は驚いて周囲に向けていた目をアズに向ける。
ウィッチ同士にしか見えないはずの色彩。
先生が慌てて説明した。
「いや…この方が風情あるかなぁ~と思って、わざわざ街の皆にも見えるようにしたのだよ。」
「なんだぁ~…だからか。びっくりした。」
ははは、と笑うと、
「おじさんのおちゃめ心さ。」
と先生は言い加えた。