記憶 ―砂漠の花―
7・サザエル潜入!
7・サザエル潜入!



「サザエルは、エッジ島、ゴザ島、サイル島の3つから成るんだよね。」

「あぁ。」

アズは荷物の整理をする手を休め、首だけ上げて私の言葉に返事する。


「ここは、どこの島?私、サザエルって島国だから、もっと緑も水も豊富で、さらに軍事国家っていうから、もっと豊かで栄えた国を想像してたんだけど…。」

「俺も、そう思ってた…。」

アズは私の横に立ち上がり、二人で目の前に広がる景色を眺めた。

乾いた風が、私たちの体を通り過ぎていく。


「また砂漠じゃん!しかも、この島小さいじゃんっ!」

あまりの納得のいかなさに、私は足元の乾いた砂を蹴りあげた。


本当に小さな島。
一日あれば歩いて一周出来てしまいそう。

ラルファとは少し砂質は違う様だけれど、見慣れた光景だ。

周りが砂だらけの為、見張らしも良く、すぐに島の状況も知れる。私たちは島の中心にある岩場に身を潜めていた。


廃墟のような街が2つ。
島の南北に別れて位置し、南の街には寂れた船着き場がある。

昼間なのに人の気配はなく、あまりにも島全体は静かだ。

あまり身を潜める意味もない。


「言いたかないけどさ、…アイリ…」

「…何?」

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