霞を散らす風のごとく

「頭に血が昇ってたんだ。それに、私たちはこの程度では死なないだろ」

早く帰ろうと、彩都に言って冬夜はもう一度祥貴の方を見た。

「早く行け。私たちも帰る」

短くじゃあ、と言った冬夜は風を纏うと、龍を抱えた彩都とともにすぐにいなくなった。

残された祥貴も冬夜たちが見えなくなると何処かに電話を入れ愛緋を抱えてその場から離れた。





今までの出来事を影から見ていた者がいることには気付かずに…









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