霞を散らす風のごとく

「ひっ…!」

気付けば背を向けて走り出していた。

しかし、前には進めなかった。

鈍い衝撃が胸を貫く。


「うわぁぁぁあああああ!!!」


耐え難い激痛と真っ赤に染まった視界。



最後に見えたのはどこまでも続く深い闇だった。









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