【密フェチ】成就されない贖罪の夜
そして、その視線よりも更に冷たい口調で、私はまるで呪文でも唱える様に彼に向かってこう言った。


「――どう、少しは大変な事になってるって事…分って貰えたかしら?」


今、私から発せられる物は全てドライアイス以上に冷たい筈だ。素肌で触ると火傷しそうな冷たさは、私の心の冷たさと等しいのだ。

そして今、私は「容赦」と言う言葉を忘れている。復讐はこれから始まるのだ。彼の心をざっくりと切り裂いて、過ちを全て吐き出させる。


出来るだけ残酷で、出来るだけ陰湿な方法で。


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