冷血ボーイ
そのとき。
ーーキーンコーンカーンコーン
あっ!予鈴…!!
助かった…っ!
あたしはホッとして、あたしを見下している玲央くんを見た。
「何ホッとした顔してんだか」
うっ…。
バレてた…っ!
「だって…」
「まあいいや。じゃあ帰りな。遅れるから早く行って」
ソファがミシッと音を立てながら、玲央くんはあたしの前からどいた。
「…うん、ばいばい」
あーあ。
また、悪夢の5時間目が始まってしまう。
あたしは玲央くんに手を振ってから、とぼとぼと歩き出した。