放課後の夕日

第2部 先輩は変な人

 今日の夕日もきれいだなぁ・・・。

夕日もいいけど夜に向かう空のグラデーションも好きなんだよね。
暗闇→夕焼け→まだ青く残ってる空っていう・・・ね。

もう暗くなる。帰ろう。
校舎に戻るドアに向かって振り返ったそのときだった。

「さっき歌ってたの、君?」

突然男子生徒の声がした。

と、思ったら視界の端から知らない男子生徒がぬぅっと眼前に現れた。

「ひっ?!やぁああぁあああ!!」

私は驚いて派手にしりもちをついてしまった。

自分のかっこ悪さに嫌気がさす。

せめてもと思って突然現れた男子生徒をねめつけた。

それでも楽しそうに私を驚かせた張本人は

「はははっ!ごめんごめん。驚かせるつもりはなかったんだ。」

と、大いに笑いながら私を上から見下ろしている。

「やーごめん。俺は2年の中嶋(なかじま)です。和也(かずや)センパイって呼んでね?」

別に聞いてもいないのにその人は名乗りながら私を起こしてくれた。

「あ、ありがとうございます・・・。1年の沢田光です。」

名乗られたからには名乗り返すのがマナーだろう。

そう思った私は釈然としないながらも一応名乗り返しておいた。

「沢田さんか。合唱部でしょ?歌、上手いね♪」

 この中嶋先輩に私が抱いた印象は『変な人』だった。

できればあまりお近づきになりたくないような人種ですね。

突然見ず知らずの後輩にナンパもどきのようなものを仕掛けてくる人でしたから。

「いやぁ~、屋上で昼寝してたら寝すぎちゃってさぁ~すっかり暗くなっちゃった☆」

とことん変な人だ。語尾にいちいち″キラッ″と効果音が付きそうな話し方をする。

「いつから寝てたんです?」

「うーん・・・昼飯の後からずっと?」

それって午後の授業サボってますよね・・・?

「君こそいつもここにいるの?」

そんな変な人だが、それでもなぜか先輩は憎めないようなオーラを出していた。

「私は・・・。」



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