悪魔狩り屋と優しい悪魔

数分がたち、私の自宅にたどり着いた

「…ありがとうございました」

嫌々ながらも私は安久李さんにお礼を言う。嫌みっぽいかもしないが、言わないよりはましだと思った。ー絶対目は合わせないけど

「いーよ、こっちが好きで送ったんだし」

目を合わせないことを気にしないのか、彼は笑顔で返した

…やっぱりなんか気にくわない。お礼なんて言わなければよかったかも。

「あ、凛童ちゃん」

家に入ろうとしたとき、安久李さんに呼び止められた。私は振り向き、首をかしげた。

「あのさ……」

「なんですか?」

安久李さんがなにか言おうとする。しかし、なにも言わないで静かに微笑んだ。

「…また明日、学校でね?」

私は不思議に思いながらも頷き、家に入った



< 54 / 101 >

この作品をシェア

pagetop